和室を洋室へ変える費用は、「畳をフローリングへ替えるだけ」か、「壁・天井・収納・建具まで整える」かで大きく変わります。6畳や8畳という広さだけで予算を決めるより、まず完成後にどう使いたいかを考え、必要な工事範囲を整理する方が現実的です。
特にマンションでは、床の遮音条件や管理規約も工事内容に関わります。この記事では、床だけの場合と全面改修の費用差、工事項目ごとの考え方、マンションでの注意点、見積もりを比べるときの見方まで順に整理します。
- 床だけの場合と全面洋室化で費用がどのくらい変わるか
- 床・壁・天井・収納・建具のうち、どこまで工事するかの決め方
- マンションで確認したい管理規約・遮音・床高さのポイント
- 工期と費用を抑えながら、見積もりを比較する方法
和室から洋室へのリフォーム費用は工事範囲で大きく変わる
費用の目安を見るときは、金額だけでなく「どこまで工事する価格なのか」をセットで見るのがポイントです。床だけの変更と、壁・天井・収納・建具まで含む洋室化では、同じ6~8畳でも総額が大きく変わります。
| 工事範囲 | 費用の目安 | 見るときの注意点 |
|---|---|---|
| 畳からフローリングへ変更 | 18~30万円程度 | 床下地や高さ調整の内容で変わる |
| 6~8畳の全面洋室化 | 50~100万円程度 | 床・壁天井・収納・建具など、含まれる工事範囲を確認する |
| 公的なモデル見積もり | 124万6,260~158万484円 | 13.3㎡、6畳+床の間・押入を広く改修するモデル。処分費・下地補修等は別途 |
SUUMOの2026年1月時点の取材記事では、和室の洋室化の中心価格を40~60万円程度、畳からフローリングへの変更を18~30万円程度としています。一方、6~8畳の全面洋室化を50~100万円程度とする目安もあります。数字に幅があるのは、同じ「洋室化」でも含まれる工事がそろっていないためです。
住まいるダイヤルのモデル見積もりでは、6畳の和室に床の間・押入を含む13.3㎡を対象に、床・壁・天井・建具・クローゼットまで改修した総計が124万6,260~158万484円です。20%の諸経費を含む一方、処分費や下地補修等は含まれていません。
床だけか、壁・天井・収納・建具まで変えるかを先に決める
洋室化の範囲は、完成後の用途から逆算すると整理しやすくなります。寝室や子ども部屋として使うのか、和室らしい収納や引戸を残してもよいのかで、必要な工事は変わります。

床はフローリング材だけでなく下地と高さまで確認する
畳を撤去してフローリングへ変えるときは、表面の床材だけでは終わらないことがあります。畳とフローリングでは厚みが違うため、新しい下地をつくり、廊下や隣室との高さを合わせる施工方法があります。
段差をなくしたい場合は、見積もり時に「フローリング材の価格」だけを見るのではなく、畳撤去後の床組・下地・高さ調整まで含まれているかを見ます。マンションでは遮音条件も関わるため、床の詳しい工法や費用は畳からフローリングへリフォームする費用と工法でも整理しています。

壁・天井は仕上げだけか下地から変えるかで工事量が変わる
壁や天井は、表面のクロスを洋風に替えるだけで済む場合と、和室らしい壁の形を変えるために下地から手を入れる場合で工事量が違います。柱が見える仕上げを残すのか、より洋室らしい仕上げへ整えるのかも、見積もり前に決めておきたい部分です。
床だけを先に決めてしまうと、後から壁・天井も変えたくなったときに予算の前提が崩れやすくなります。完成イメージを先に決め、床と内装を一つの工事範囲として伝える方が見積もりを読みやすくなります。
押入れ・建具は必ず交換する必要はない
押入れをクローゼットへ変えたり、襖を洋風の引戸やドアへ替えたりすると、洋室らしい仕上がりになります。一方で、収納や建具をそのまま使えるなら、必ずしも全部を交換する必要はありません。
予算を抑えたいときは、「洋室にしたいから全部交換する」ではなく、完成後の使い方に必要な工事だけを残します。押入れを布団収納として使い続ける、引戸の機能を残すなど、既存部分を生かす考え方も選択肢です。
マンションでは管理規約と床の遮音条件を先に確認する
マンションで畳をフローリングへ変える場合は、床材を決める前に管理規約・使用細則を確認します。国土交通省のマンション標準管理規約では、フローリング工事が修繕等の承認対象となる例として示され、防音への影響も承認時の判断項目に挙げられています。
実際のルールはマンションごとに異なります。「LL-45なら施工できる」と一律に決めるのではなく、自宅マンションで求められる遮音性能、使用できる床材、工事申請の手続きを管理会社や管理組合へ確認してください。
- 管理規約・使用細則に床工事のルールがあるか
- 指定される遮音性能や床材があるか
- 工事前の申請や承認が必要か
- 畳撤去後の床高さをどの方法で合わせるか
床構造によっては、RCスラブ側で高さを調整してマンション用の直貼り床材で仕上げる方法や、防音性能に配慮した二重床方式などがあります。どの方法になるかは、現場の床構造と管理規約を踏まえて施工会社と詰めます。
工期と費用を抑えるには「残す部分」を決める
6~8畳の全面洋室化では、工期5~7日という例があります。床だけなのか、壁・天井・収納・建具まで工事するのかで工程は変わり、下地の状態によっても予定が動くため、見積もりと一緒に工程表を確認しておくと安心です。
費用を抑える方法も同じで、単に安い材料へ替えるより、「残してよい部分」を決める方が工事範囲を整理しやすくなります。収納や建具を残せるか、壁・天井をどこまで変えるかを、完成後の用途から優先順位づけします。
私の自宅マンションでは、和室を完全に洋室化せず、6畳から4.5畳へ縮小しました。1畳だった押入は0.5畳にし、新たに2畳のWICを設け、和室とLDKの間には引戸を残しています。

わが家では「和室をなくすこと」より、和室として使える場所と収納を両方残すことを優先しました。全部を洋室へ変えない選択肢も含めた具体的な変更内容は、中古マンションで和室を縮小してWICを作ったリフォーム実例で詳しく紹介しています。
見積もりは同じ工事範囲と別途・追加条件をそろえて比較する
和室の洋室化は、会社ごとに「洋室化」に含める工事が違うと、総額だけでは比べにくくなります。見積もりを依頼するときは、床だけなのか、壁・天井・収納・建具まで含めるのかを同じ要望として伝えます。
見積もり前に「どこまで変えるか」を施工会社へ伝える
見積もりの条件をそろえるには、まず希望する完成状態を具体的にします。「和室を洋室にしたい」だけではなく、床、壁・天井、押入れ、建具、段差について、変えたい部分と残したい部分を伝える形です。
| 確認項目 | 見積もりで見るポイント |
|---|---|
| 床 | 畳撤去、床下地、高さ調整、フローリング施工まで含むか |
| 壁・天井 | 仕上げ変更だけか、下地工事も含むか |
| 収納・建具 | 既存を残すか、交換・造作するか |
| 別途項目 | 処分費、下地補修などが総額に含まれるか |
同じ項目名でも、施工範囲が違えば金額はそろいません。各社へ同じ要望を伝えたうえで、見積書にどこまで含まれているかを見ると差を把握しやすくなります。
総額だけでなく処分費・下地補修などの別途項目を見る
特に注意したいのが、見積書の外に残っている費用です。住まいるダイヤルのモデル見積もりでも、処分費は別途、下地補修等は含まれない条件になっています。安く見える見積もりでも、解体後に必要な補修が追加されれば最終金額は変わります。
見積書を比べるときは、総額の高低だけでなく、工事範囲・仕様・別途項目を横並びで見てください。詳しい読み方は、リフォーム見積もりの比較方法で整理しています。
床だけか全面洋室化かを整理したら、複数社へ同じ要望を伝え、総額だけでなく工事範囲や別途項目までそろえて見比べると違いが分かりやすくなります。
まとめ|用途→工事範囲→見積もり比較の順で決める
和室から洋室へのリフォームは、畳数だけで費用を決めるのではなく、完成後の用途から必要な工事を絞るのが出発点です。床だけでよければ工事範囲を抑えられますが、壁・天井・収納・建具まで整えるほど予算と工期は大きくなります。
マンションでは管理規約と遮音条件も先に押さえ、見積もりでは各社へ同じ工事範囲を伝えます。そのうえで総額だけでなく、下地補修や処分費などの別途項目まで見比べると、自宅に必要な洋室化の範囲と予算を決めやすくなります。







