マンションのフローリングリフォーム費用は?張り替え・上張りと床材選び

木目調フローリングが広がるマンションリビングをイメージしたAI画像

マンションのフローリングをリフォームする費用は、床を剥がして張り替えるか、既存床の上に新しい床材を張るかで変わります。例えば6畳ほどの工事でも、工法によって見積金額には差が出ます。

とはいえ、安い工法を自由に選べるとは限りません。管理規約で定められた遮音性能や、今の床が直貼りか二重床かによって、使える床材と施工方法が変わるためです。

この記事では工事込み費用の参考例から、施工方法、床材、見積もりの見方まで整理します。自宅で実施できるリフォームを絞り込む際の参考にしてください。

この記事で分かること
  • 6畳の張り替え・上張り費用の参考例
  • 管理規約と遮音性能で調べること
  • 直貼り・二重床と張り替え・上張りの違い
  • 自宅の床に合う材料と工法の選び方
  • 追加費用を見落とさない見積もりの見方
目次

マンションのフローリングリフォーム費用の目安

費用を考えるときは、まず「何畳を、どの工法で施工する価格なのか」をそろえて見ることが大切です。工事込みの参考価格と床材だけの価格を混ぜると、予算を見誤ります。

6畳の張り替え・上張り費用はいくら?

宮崎市のフクマツリフォームが公表する6畳(約10㎡)の工事込み参考価格は、上張りが12万~16万円、遮音床への張り替えが18万~24万円です。2026年10月22日に確認した同社の税込価格を、施工方法別に整理しました。

工法・施工条件税込の参考費用
上張り(約10㎡・1.5mm材)12万~16万円
張り替え(約10㎡・L-45遮音床)18万~24万円

この金額は同社の標準施工を前提とした例で、全国平均ではありません。既存床の状態による補修や、見積もりに含まれない作業があれば総額は変わります。

出典:フクマツリフォーム「マンション6帖フローリング貼替えの費用と特徴」(2026年10月22日確認)。

LDKなど広い範囲では費用がどう変わる?

LDKのように施工面積が広い場合は、床材の必要量だけでなく、古い床の撤去や処分、下地の状態、出入口の納まりも総額に関わります。工法や床材が同じでも、工事範囲が違えば価格をそのまま比べられません。

6畳の参考価格を面積に比例させ、LDK全体の工事費を算出するのは避けましょう。住戸全体を張り替える場合の予算は、フローリング全面張替えの費用で詳しく解説しています。

マンションでは管理規約と遮音性能を先に確認する

マンションの床工事では、希望の床材や見積金額より先に、その工事が認められるかを押さえる必要があります。特に階下へ伝わる音に関する規定は、使える商品を絞る条件になります。

管理規約と工事申請で確認すること

国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)第17条には、他住戸等に影響するおそれがある専有部分の工事について、事前申請や承認に関する規定があります。また、承認を要しない場合の届出に関する規定もあります。

ただし、標準管理規約はひな型です。実際の手続きは、住んでいるマンションの管理規約と工事細則で決まります。管理会社や管理組合には、次の点を伝えて確認すると話が進めやすくなります。

  • フローリング変更に必要な遮音性能・指定等級
  • 床材や施工方法に関する制限の有無
  • 工事前の申請・承認・届出の手順と期限
  • 提出する床材仕様書・遮音性能資料の種類
  • 共用部養生や作業時間などの工事細則

管理規約に適合するか分からない段階では、床材の購入や工事の発注を先に進めない方が確実です。

LL-45などの遮音等級はどう考える?

管理規約で「LL-45」などの表記を見ることがあります。これは床衝撃音に関わる従来の表示で、現在の製品資料では「ΔLL(デルタエルエル)」など、異なる体系で性能が示される場合があります。

日本複合・防音床材工業会は、防音直貼りフローリングについて、一定の試験条件のもとでLL-45とΔLL(I)-4相当の読み替えができることを説明しています。すべての床材について両者をそのまま同一視できるわけではありません。

  • 管理規約にはどの等級・表記が指定されているか
  • 検討中の床材には同じ施工条件での性能資料があるか
  • 試験時の床構成と自宅で予定する床構成が合っているか

床材に表示されたΔL等級は、所定の試験条件下で測定した床衝撃音の低減性能です。完成した住戸での音の伝わり方を、そのまま保証する数値ではありません。

詳しい表示の考え方は、日本複合・防音床材工業会のマンションリフォームQ&Aでも確認できます。

フローリングの張り替えと上張りはどちらがよい?

既存床を撤去できるか、残したまま新しい床材を施工できるかで選択が分かれます。上張りは撤去・処分を減らせる可能性がある一方、既存床の状態やメーカーの指定に合わなければ選べません。

張り替えと上張りの違い

比較項目張り替え上張り
既存床撤去する原則残す
撤去・処分作業と費用が発生減らせる場合がある
下地の確認撤去後に状態を見やすい既存床の状態に左右される
床の高さ新しい床の納まりを調整厚み分の高さ変化に注意
費用・工期撤去・処分の負担がある抑えられる場合がある

上張りで床が高くなると、ドアの開閉や敷居との段差を調整することがあります。反対に、既存床に浮き・腐食・大きな不陸があれば、残して施工するより撤去や補修を優先するケースもあります。

リフォーム後の和室とLDKの境界にある引戸レールと畳・フローリング
筆者宅の和室とLDKの境界部分。引戸レールと畳・フローリングの納まりが分かります。

工法を選ぶ際は、今の床の状態と予定する新しい床材の施工条件を、現地調査で照らし合わせます。

畳からフローリングへ変更する工事については、畳からフローリングにリフォームする費用で別に解説しています。

直貼りと二重床では施工条件が違う

「直貼り」と「二重床」は床の構造を示す言葉で、「上張り」と「張り替え」はリフォームの工法です。似た言葉に見えますが、別々のものとして考えると整理しやすくなります。

直貼り床はコンクリートの床スラブを下地として床材を施工する構造です。一方、二重床は支持脚などでスラブと床材の間に空間を設けた構造を指します。

マンションの直貼り床と二重床の断面構造を比較した模式図
直貼りと二重床の構造を簡略化した模式図。実際の部材構成や厚さ、遮音性能を示すものではありません。

床の組み方によって適した材料や施工方法は変わりますが、二重床だから必ず遮音性能が高いわけではありません。現在の床構造が分からなければ、竣工図や仕様書を手掛かりに施工業者へ調べてもらいましょう。

防音フローリングにも上張りできる?

防音直貼りフローリングでも、専用の上張り材を使える場合があります。以前は上張りできないと考えられていた床構造でも、対応製品が増えているため、最新のメーカー資料で対象条件を確かめることが大切です。

例えばPanasonicのUSUI-TAには、指定された既存の防音直貼り床向けの製品があります。またDAIKENは2026年10月、イエリアフロア3Tの対応領域拡大を発表しました。いずれも、すべての既存床へ自由に施工できるという意味ではありません。

  • 既存床の種類・厚さ・劣化状態が対象になっているか
  • 製品が要求する遮音等級や施工下地に合うか
  • 既存の床暖房に対応する組み合わせか
  • 段差・建具との干渉や施工説明書の制限がないか

メーカーが示す施工方法から外れると、想定した性能を得られるとは限りません。「防音タイプだから上張りできる」と判断せず、施工会社に対象商品の施工説明書で適合性を示してもらいましょう。

マンション向けフローリング材の種類と選び方

床材には見た目や質感の違いがありますが、マンションではその前に施工可能な構造・遮音性能を満たしていることが前提です。表面材の種類だけで、適した工法や性能は決まりません。

挽き板・突き板・シートの違い

複合フローリングは、基材の表面に使う仕上げ材によって、挽き板・突き板・化粧シートなどに分けられます。どれを選ぶかは見た目や触れたときの質感にも関わります。

表面材選ぶときに見ること
挽き板木材の質感と、製品ごとの厚さ・施工条件
突き板天然木の表情と、表面仕上げ・使い方
化粧シート色柄や表面の機能、製品ごとの耐久条件

例えば天然木の表面材でも、マンションの直貼り床用として設計された製品があります。逆に、見た目が気に入った床材でも、既存床への施工や管理規約への適合が認められるとは限りません。

床材選びで確認したい性能

好みの色柄を絞る前に、自宅で使ううえで欠かせない性能を整理しておくと、候補を減らしやすくなります。

  • 遮音性能:マンションの管理規約が求める仕様に合うか
  • 施工条件:直貼り・二重床・上張りのどれに対応しているか
  • 耐傷性・耐水性・清掃性:普段の使い方に合うか
  • 床暖房・キャスター・ペット:使う場合に対応製品か
  • 歩行感・色柄・質感:実際の生活で納得できるか

「防音」「耐傷」などの名称だけで選ぶのではなく、対象製品の仕様書で利用条件を見比べます。床材と下地を組み合わせたときの適合性は、メーカーと施工会社の両方で確認すると安心です。

見積もりで追加費用を確認するポイント

フローリング工事の見積もりは、床材費と施工費だけを見ても総額を判断できません。既存床の撤去や、床を剥がして初めて分かる下地補修などが、別項目になっていることがあるためです。

見積書では何を確認する?

工事項目見積もりで確認する内容
床材費品名・仕様・施工面積・必要数量
基本施工費張り付け、加工、仕上げの範囲
既存床の撤去撤去対象の部屋・面積
廃材の処分運搬・処分が含まれるか
下地補修不陸・浮き等への対応と追加費用の扱い
建具・巾木・段差ドアや敷居の調整・復旧を含むか
養生住戸内・共用部の保護範囲
諸経費搬入・駐車・管理等の扱い

特に「一式」と書かれた項目は、どの作業まで含むかを聞いておくと追加費用の説明を受けやすくなります。下地の傷みが見積段階で分からない場合は、工事後に金額が変わるときの連絡方法も押さえておきましょう。

私の自宅でも、約90㎡の中古マンションを総額約600万円(税込)でリフォームした際、床などの内装工事をほかの工事と合わせて行いました。この金額は間取り変更や水回りなども含めた総額で、フローリング単独の費用ではありません。

複数社の見積もりは同じ条件で比べる

A社は上張り、B社は既存床撤去を含む張り替え、といった内容では、総額の安さだけで比べても工事の違いが分かりません。まず希望する施工範囲をそろえ、業者ごとに異なる提案があれば、その理由も聞きましょう。

  • 施工する部屋と面積
  • 求める遮音性能と床材仕様
  • 希望する工法と既存床への施工可否
  • 既存床の撤去・処分の有無
  • 下地補修が必要になった場合の扱い
  • 建具調整・養生を含む工事範囲

見積条件をそろえても金額が違う場合は、材料の仕様や作業範囲、追加工事の扱いを見比べます。比較の進め方そのものは、リフォーム見積もりの比較方法で詳しく説明しています。

中古マンションや住みながらの工事で確認したいこと

中古マンションの購入前後に床を替えるなら、管理規約だけでなく、既存床の仕様や傷み具合も早めに把握しておきたいところです。現地を調べないまま希望の工法を前提に予算を組むと、後から工事範囲が変わる可能性があります。

  • 購入前に管理規約・工事細則を入手できるか
  • 竣工図や床材の仕様・施工履歴が分かるか
  • きしみ・浮き・下地の傷みを現地で調べられるか
  • 工事中に家具を移動する場所を確保できるか
  • 騒音・粉じん・部屋を使えない期間を工程表で把握できるか

工期は施工する部屋数や工法だけでなく、下地補修の有無、家具移動、空室か居住中かによっても変わります。何日で終わるかは一律に決めず、工事する部屋を使えない期間まで含めて施工会社に聞いておきましょう。

物件の購入前に見積もりを進める場合は、中古物件の購入前リフォーム見積もりの取り方も参考になります。

マンションの床リフォームを複数社で比較したい方へ

管理規約で求められる遮音性能や施工面積、希望する工法を整理したら、同じ内容を各社へ伝えて提案と見積もりを比べてみましょう。現地で分かる下地補修の範囲も確認すると、金額の違いを理解しやすくなります。

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どのサービスを選ぶか迷う場合は、リフォーム一括見積もり3サービスの比較も確認してください。

まとめ|費用と施工条件をそろえて判断する

マンションのフローリングリフォームは、見積もりの金額だけで工法を決めるものではありません。費用の参考例で予算感をつかみ、規約と遮音性能に合う床材・工法へ候補を絞るのが基本です。

  • 管理規約と申請手続き、求められる遮音性能を調べる
  • 既存床の構造と状態から、張り替え・上張りの可否を整理する
  • 工事範囲と追加費用の扱いをそろえて見積もりを比べる

床の状態や施工条件が分からない場合は、決め打ちせず現地調査で確認し、納得できる工事内容を選びましょう。

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