キッチンとリビングのリフォーム費用は?工事範囲と間取り変更

キッチンとリビング・ダイニングがつながるLDK空間のイメージ

キッチンとリビングをまとめてリフォームする場合、費用はキッチン本体だけでは決まりません。床・壁・天井の内装や、間仕切りの撤去、電気・配管・換気など、どこまで手を入れるかで総工事費が変わります。

まずはキッチンの位置を残したまま希望を実現できるか考え、そのうえで壁の撤去や部屋の統合、キッチン移設が必要かを整理することが大切です。この記事では公開されている費用事例と筆者宅のリフォームを手掛かりに、工事範囲と見積もりの考え方を説明します。

この記事で分かること
  • キッチンとリビングをまとめて改修する主な工事内容
  • LDKリフォームの参考費用と価格差が生まれる理由
  • 壁撤去・キッチン移設・間取り変更の施工条件
  • 工事範囲と予算に合わせた見積もり比較のポイント
目次

キッチンとリビングをまとめてリフォームすると何ができる?

LDKの改修には、キッチン設備と内装だけを更新する方法から、隣の部屋を取り込む方法まであります。広くしたいからといって、必ずキッチンを移動するわけではありません。

工事パターン主な内容・費用に関わる点
位置を変えないLDK改修キッチン交換と床・壁・天井の更新。既存の設備経路を活かせるかがポイント。
間仕切り撤去による一体化壁を取り除き空間をつなぐ。撤去の可否に加え、床・壁・天井の補修範囲が変わる。
隣室を取り込むLDK拡張隣接する部屋をLDKに統合。建具、収納、仕上げなどの工事も伴う。
キッチン移設を含む改修位置・向きを変更。給排水、排気、ガス、電気、動線を踏まえた計画が必要。

「一体化」と「移設」は別の選択です。空間を広げることが主目的なら、キッチンの位置を維持する案も候補にできます。一方、調理中の動線や食卓との距離を変えたいなら配置変更も検討対象になります。

LDKリフォームの費用はどれくらい?工事範囲別に比較

参考価格を見るときは、その金額に何の工事が含まれているかが欠かせません。キッチン単体の入替えと、内装・間取りまで変えるLDK全体改修を同じ価格帯として扱うと、予算を見誤ります。

公開されている平均費用と施工事例の違い

Panasonicのリフォーム案内には、2015年4月~2022年9月の完工実績が掲載されています。LDK全体の改修とキッチン入替えでは対象工事が異なり、掲載金額は2026年の全国平均や現在の見積有効価格を示すものではありません。

公開データ・価格対象と読み方
Panasonic:LDK改修
平均約530万円
過去の完工実例。135万~1,818万円と幅があり、工事範囲が異なる。税込・税別はこの資料だけで確定しない。
Panasonic:キッチン入替え
平均約213万円
過去の同社集計で50万~925万円の幅がある。LDK全体改修とは対象工事が違う。税込・税別はこの資料だけで確定しない。
TOTO:497万円(税別)マンションのキッチン・リビング部分を対象とした個別施工事例。
ニッカホーム:394万円(税込)LDKと洋室の一体化を含む個別施工事例。

TOTOとニッカホームの金額は、それぞれの施工内容に対する実績です。住宅の状態や設備仕様、含まれる工事も同一ではないため、安い方をそのまま自宅の目安にすることはできません。

キッチン本体以外に費用がかかる工事

キッチンを交換するだけのつもりでも、LDK全体を整える計画なら本体以外の工事が入ります。特に壁を撤去したり、配置を変えたりする場合は、元の仕上げをどうつなぐかも費用に関わります。

工事項目含まれ得る工事
解体・撤去既存キッチン、間仕切り、建具の撤去
内装・下地床・壁・天井の張り替え、撤去部分の補修
木工・造作カウンターや収納、間取り変更に伴う造作
電気・設備照明・コンセント、給排水、ガス、換気の変更
付帯工事・諸経費養生、廃材運搬・処分、現場管理など

同じ「LDKリフォーム」でも、表のどこまでを施工するかは異なります。設備の価格を先に決め切るより、必要な工事を洗い出してから総予算を組む方が計画を整理しやすくなります。

既存キッチン撤去後に床や壁の下地、配管が露出した工事中の様子
筆者宅で既存キッチンを撤去した後の様子。床・壁の下地や配管が見えています。

マンションのキッチン工事そのものの費用差は、マンションのキッチンリフォーム費用で詳しく整理しています。

実例|キッチンを移動せずLDKを16.6畳から21.6畳に拡張

私の自宅では、キッチンの位置をそのままにしてLDKを広げました。築20年前後・約90㎡の中古マンションで、隣接する5畳の洋室を取り込んだ事例です。

変えた部分と残した部分

変更対象Before → After
LDK全体16.6畳 → 21.6畳
リビング部分13畳 → 18畳
キッチン3.6畳の位置は維持し、本体を交換
隣接する洋室5畳の洋室をLDKに取り込んだ
和室と収納和室6畳 → 4.5畳、押入1畳 → 押入0.5畳+WIC2畳
LDKの天井高約2.53m → 約2.43m

キッチンは既存設備を撤去し、タカラスタンダードの「オフェリア」(間口240cm)へ交換しました。配置そのものは変えていません。背面収納やカウンターなど、キッチン周辺も改修しています。

リフォーム後のLDK全体とキッチンカウンター、和室、収納を見渡した様子
リフォーム後の筆者宅LDK。キッチン、和室、収納とのつながりが分かる全景です。

間取りの変更に加え、ダウンライトを設置するためLDKの天井を約10cm下げる工事も行いました。広さを変える工事と内装・電気工事が一緒に発生した例です。詳しい変化は筆者宅のLDK拡張実例にまとめています。

ダウンライト設置のため天井を下げたLDKの木製下地と配線
筆者宅のLDK天井工事。ダウンライトの設置に伴い天井を約10cm下げた施工中の様子です。

キッチンの位置を残した工事内容はキッチン位置を変えないリフォーム実例でも紹介しています。

総額約600万円はLDKだけの費用ではない

このリフォームの総額は税込約600万円でした。ただし、浴室・洗面・トイレ・給湯器なども含む住戸全体の工事費であり、LDKだけに約600万円かかったという意味ではありません。

見積書上のキッチン改装工事は約92.9万円ですが、これもキッチン本体の購入価格だけを示すものではありません。LDK関連の工事が複数の項目にまたがるため、今回の資料からLDK単独の合計額を確定することはできません。

実際にかかった金額を自宅の予算へそのまま当てはめるより、どの工事を実施し、何が全体費用に含まれたかを見る方が参考になります。

壁の撤去やキッチン移設は自宅でもできる?

間仕切りをなくしたり、キッチンの位置を変えたりできるかは、希望する間取りだけでは決まりません。壁の構造と設備の経路を調べ、特にマンションでは管理上のルールも踏まえて計画します。

間仕切り壁を撤去できるかは構造で変わる

撤去したい壁が建物を支える役割を持つ場合、そのまま取り除けるとは限りません。柱・梁・躯体などとの関係もあるため、図面と現地の状況を施工会社や建築士に見てもらう必要があります。

壁を外せても、元の壁があった部分の床・天井・壁に仕上げの差や欠損が残ることがあります。開口を広げる工事費だけでなく、周囲をどこまで補修するかも計画に入れましょう。

マンションの壁構造の考え方はマンションで壊せる壁の判断方法で詳しく説明しています。

キッチンを移動する場合は配管・換気・寸法を確認する

キッチンを移すときは、給排水管や排気ダクト、ガス・電気設備を新しい位置に接続できるかがポイントです。Panasonicもキッチンのレイアウト変更で設備経路を考慮する必要性を案内しています。

確認対象施工会社などに聞く内容
壁・構造取り除ける壁か、残すべき部分があるか
給排水・床下排水勾配や配管経路を確保できるか
排気・ガス・電気換気ダクトや設備の接続・変更が可能か
設置寸法キッチン・収納・通路・家具を配置できるか
マンションの管理条件工事申請、床の遮音条件、施工時間などに制限があるか

マンションでは専有部分の工事でも管理規約や工事申請のルールが関わります。国土交通省の専有部分工事に関するQ&Aも参考にし、実際の申請要件は管理組合・管理会社へ確かめましょう。

キッチンの移動そのものを検討している場合はキッチン移動リフォームの可否と費用で詳しく扱っています。

LDKを広くする前に確認したい動線・収納・工事中の生活

LDKが広くなっても、通路や収納が使いにくければ日々の不便は残ります。完成後の家具・設備配置と、工事中の暮らし方を別々に考えておきたいところです。

キッチン・収納・ダイニングの配置

配置を考えるときは、TOTOのキッチン・リビング寸法の案内のような目安を参考に、採用する設備と家具の実寸で検討します。

  • キッチンと背面収納の間に、使いやすい通路を取れるか
  • 冷蔵庫や収納の扉を開けても動線がふさがれないか
  • ダイニングテーブルを置いたとき、周囲を移動できるか
  • 開放した空間で調理音・におい・視線が気にならないか
  • 部屋の統合によって収納が不足しないか
LDK側から見たリフォーム後のキッチンと前面カウンター、背面収納
筆者宅のリフォーム後のキッチン。前面カウンター、背面収納、パントリーの配置が分かります。

特に壁付けから対面型へ変える場合、調理中にLDKを見渡しやすくなる一方で、設備や通路に使う面積が変わります。「開放感がある」という印象だけで配置を決めず、普段の動きを重ねて考えることが大切です。

工事中にLDKやキッチンを使えるか

キッチンやLDKを同時に工事する場合、生活スペースの使えない範囲が日によって変わります。工期を一律の日数で考えるのではなく、施工会社に工程表と設備の使用停止期間を聞きましょう。

  • キッチンで調理や洗い物ができなくなる期間
  • リビングやダイニングに立ち入れない期間
  • 冷蔵庫・食卓などの一時的な置き場所
  • 住みながら工事するか、別の生活場所が必要か

LDKリフォームの見積もりは工事範囲をそろえて比較する

見積書で比べるのは最終金額だけではありません。同じキッチンを選んでも、床・壁の仕上げや設備配管、撤去後の補修が含まれるかによって総額は変わります。

見積もりに含まれる工事項目を確認する

依頼前に、自分が希望する工事と、残してよい設備・内装を整理しておくと見積もりの差が読みやすくなります。次の項目は金額だけでなく、見積書に含まれる範囲を確認するための一覧です。

  • キッチン本体の仕様・グレードと設置工事
  • 既存設備・壁の解体撤去、運搬・処分
  • 床・壁・天井の更新と下地・撤去跡の補修
  • 給排水・ガス・電気・換気の変更内容
  • 養生・諸経費、別途工事、税込/税別
  • 解体後に追加工事が必要になった場合の連絡・合意方法

住まいるダイヤルの契約前の確認事項も参考に、どの作業まで契約金額に含まれるか文書で残すことが大切です。見積書全般の読み方はリフォーム見積もりの比較方法にまとめています。

同じ設備仕様と施工範囲で複数社を比較する

複数社から見積もりを取るなら、希望するキッチンのグレード、撤去する壁、床・天井の補修範囲などをできるだけ同じ内容で伝えましょう。金額の差が出たときも、材料や工事項目の違いをたどりやすくなります。

一方、現地を見て初めて分かる工事もあります。追加工事の可能性がある箇所と、発生時に誰がどの段階で判断するかまで相談しておけば、総額だけを比べるより納得して依頼先を選べます。

LDK全体の工事範囲をそろえて見積もりを比較する

壁撤去・キッチン移設・内装などの希望範囲を整理したら、同じ条件で複数社の提案と見積もりを確認しましょう。

提案内容まで比較したい
タウンライフリフォーム
サポートを受けて探したい
リショップナビ
匿名で比較を始めたい
ホームプロ
※PR:上記リンクにはアフィリエイトリンクを含みます

各サービスの違いから選びたい方は、リフォーム一括見積もり3サービス比較も確認してください。

まとめ|必要な工事範囲と予算を整理してLDKリフォームを判断しよう

キッチンとリビングの一体リフォームでは、設備本体の価格よりも、どこまで内装・間取り・設備工事を行うかが総額を考える出発点になります。キッチンを動かさずに目的を満たす案と、壁撤去・拡張・移設を伴う案を分けて検討しましょう。

構造や配管、管理規約の制約を整理したら、設備仕様と施工範囲をそろえた見積もりで費用を確かめるのが次の段階です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次