マンションリフォーム費用を広さ・間取り別に解説|予算の考え方

マンションの間取り図と見積書からリフォーム費用を考えるイメージ

マンションのリフォーム費用は、70㎡や3LDKといった広さ・間取りだけでは決まりません。同じ70㎡でも、内装中心なのか、間取り変更や配管・配線更新まで行うのかで、公開されている価格例には大きな差があります。

予算を考えるときは、実際の専有面積→希望する工事範囲→表示価格に何が含まれるかの順で整理すると分かりやすくなります。この記事では、50~80㎡の公開価格や1LDK~4LDKの考え方、約90㎡・600万円だった自宅の実例を使いながら、見積もり前の予算の組み立て方まで整理します。

この記事で分かること
  • 広さ別の公開価格を相場としてどう読めばよいか
  • 1LDK~4LDKで費用を見るときに専有面積を分けて考える理由
  • 同じ70㎡でも工事範囲で価格が変わる具体例
  • 約90㎡・600万円だった自宅で実際に行った工事
  • 見積もり前に自宅の予算帯を整理する順序
マンションリフォームの予算を専有面積・工事範囲・価格内容・見積もりの順で考える図
マンションリフォームの予算を具体化するときの考え方を整理した図解です。
目次

マンションリフォーム費用は広さだけでは決まらない

「70㎡ならいくら」と最初に金額を知りたくなりますが、面積だけをそろえても工事内容が違えば比較になりません。特にマンション全体を広く改修する場合は、表層の更新とスケルトンリフォームを同じ相場として見ると、予算感がずれやすくなります。

同じ70㎡でも工事範囲で385万円~1,463万円の価格例がある

近鉄不動産「近鉄のマンションリノベ」では、2026年5月時点の税込価格として、70㎡の定額プランが次のように示されています。

工事範囲の異なるプラン70㎡の価格例
ライト(5.5万円/㎡)385万円
オリジナル(12.1万円/㎡)847万円
スケルトン(20.9万円/㎡)1,463万円

3つは同じ70㎡でも施工内容が同じではありません。オリジナルには間取り変更1室などが含まれ、スケルトンでは全面的な間取り変更や給湯器、配管・配線などまで範囲が広がります。

つまり、70㎡の検索結果で300万円台と1,000万円超の価格が並んでいても、それだけでどちらかが高すぎる・安すぎるとは言えません。先にそろえるべきなのは面積よりも工事範囲です。

「平均316.9万円」は全面リフォームの相場ではない

住宅リフォーム推進協議会の2025年度調査では、マンション実施者の検討時予算は平均257.7万円、実際のリフォーム費用は平均316.9万円でした。

この数字は、部分的な工事を含むマンションリフォーム全体の集計で、スケルトンや全面改修だけを集めた平均ではありません。3LDKや70㎡の全面リフォーム費用として、そのまま当てはめない方がよい数字です。

広さ別の費用目安|50~80㎡の公開価格を工事範囲ごとに見る

広さ別の費用を見るときは、同じ工事範囲の中で面積差を見る方法が分かりやすいです。ここでは、工事条件が明示されている公開価格を分けて見ていきます。

間取り変更なしの全面改装の価格例

ハウジングプラザ「まるで新築くん マンション編」では、間取り変更なしの指定メニューについて、次の工事費込総額が掲載されています。価格には商品・材料、基本工事、解体処分、諸経費が含まれます。

専有面積工事費込総額(税込)
50㎡275.2万円
60㎡298.2万円
70㎡321.2万円
80㎡344.2万円

この表では面積が広くなるほど価格も上がっていますが、前提は「間取り変更なし」の指定メニューです。壁を大きく動かしたり、配管を更新したりする工事の目安として使うものではありません。

スケルトン・配管変更を含むフルリフォームの参考価格

LIXILリフォームショップ「フルリフォームの費用目安は?」では、中古マンションの面積別参考価格が掲載されています。標準仕様のスケルトンリフォームと、間取り・配管変更を含むフルリフォームでは金額帯が分かれています。

標準仕様のスケルトンリフォーム

専有面積参考価格
50㎡650~850万円
60㎡750~990万円
70㎡840~1,120万円
80㎡920~1,240万円

間取り・配管変更を含むフルリフォーム

専有面積参考価格
50㎡750~1,000万円
60㎡900~1,200万円
70㎡1,050~1,400万円
80㎡1,200~1,600万円

こちらは参考価格で、実際の金額は施工店や住宅の状態によって変わります。LIXILの参考価格表については、この記事では税込・税別を断定しません。

50㎡・60㎡・70㎡・80㎡の数字を見比べても、工事範囲が違えば数百万円単位で差が出ます。40㎡・55㎡・65㎡・90㎡についても、近い面積の価格を単純に足し引きして「相場」を作るより、希望する工事範囲に近いプランや見積もりを使う方が実際の予算に近づきます。

1LDK~4LDKは「部屋数」より専有面積と工事範囲で費用を見る

1LDK・2LDK・3LDK・4LDKは部屋数を表す間取り名で、専有面積そのものではありません。同じ3LDKでも広さは一律ではなく、同じ面積でも部屋数の違う住戸があります。

費用を見るときは、「3LDKだからいくら」ではなく、まず実際の専有面積を基準にします。そのうえで、既存の壁や建具をどこまで残すか、部屋数を変えるか、水回りを動かすかといった工事量を重ねて考えます。

わが家も約90㎡の4LDKでしたが、部屋数をそのまま維持するのではなく、5畳の洋室をLDKへ取り込む計画にしました。間取り名より「何を変えるか」を見る方が、実際の見積もり内容をつかみやすくなります。

マンションリフォーム費用を左右する主な条件

同じ広さでも総額が変わる主な理由は、面積以外の工事が増減するからです。見積もり前は、次の項目まで整理しておくと公開価格と自宅の計画を結び付けやすくなります。

費用を左右する項目見ておきたい内容
工事範囲表層中心、設備交換、間取り変更、スケルトンのどこまで行うか
水回り・設備交換する設備、グレード、水回り位置の変更有無
間取り・配管・配線壁や建具の変更、給排水管や電気配線をどこまで更新するか
表示価格の内訳商品、基本工事、解体処分、諸経費、設計などが含まれるか
マンションのルール床材、工事時間、申請手続き、共用部分との境界など

間取り変更を考えている場合は、金額だけでなく施工できる範囲も先に押さえておきたいところです。壁の撤去や水回り移動などの考え方は、マンションの間取り変更でできること・費用・変更例で詳しく整理しています。

また、マンションでは専有部分の工事でも管理規約や工事細則が関係します。国土交通省のマンション管理・再生ポータルでも、標準管理規約では共用部分や他の専有部分へ影響するおそれがある工事について、申請・承認の考え方が示されています。実際の手続きは、自宅マンションの管理規約と管理会社・管理組合の案内を優先してください。

約90㎡・600万円の実例で見る「広さより工事内容」

私の自宅は築20年前後・約90㎡の中古マンションで、施工当時のリフォーム総額は約600万円(税込)、工期は約2か月でした。設備交換だけではなく、間取り変更、水回り、内装、木工事、電気・照明、収納などをまとめて行っています。

間取りは、キッチン3.6畳+リビング13畳の16.6畳LDKから、隣接していた5畳の洋室を取り込んで21.6畳へ変更しました。和室は6畳から4.5畳へ縮小し、1畳だった押入を0.5畳にして2畳のWICを新設しています。

リフォーム前後のリビング・キッチン・和室・洋室・WICを畳数付きで比較した間取り図
リフォーム前後の間取り比較。リビングは13畳から18畳、和室は6畳から4.5畳へ変更しています。

見積項目を大きく分けると、水回りが約288.4万円で総額の48.1%、木工事が約162.7万円で27.1%でした。約600万円という総額だけを見るより、どの工事に費用を使ったのかまで見る方が、自宅との違いを捉えやすくなります。

総額600万円のマンションリフォーム見積項目を大分類にまとめた費用割合のグラフ
見積項目を大分類にまとめた費用割合。総額600万円のうち、水回りが48.1%、木工事が27.1%を占めています。

この600万円は現在の相場ではなく、私の自宅で施工した当時の金額です。詳しい工事項目は、マンションリフォーム600万円の費用内訳でまとめています。

見積もり前に自分の予算帯を決める4ステップ

公開価格を見たあとにやることは、「自宅に近い数字を1つ選ぶ」ことではありません。次の順番で整理すると、施工会社へ伝える工事範囲と予算の前提をそろえやすくなります。

  1. 正確な専有面積を把握する
    売買資料や図面などで、㎡単価や内装数量の基礎になる面積を押さえます。
  2. 希望する工事範囲を分ける
    内装中心、設備交換、間取り変更、配管・配線更新、スケルトンなど、どこまで手を入れたいかを書き出します。
  3. 表示価格に含まれる内容をそろえる
    商品代だけか、解体・処分・基本工事・諸経費まで含むかを見て、同じ土俵で金額を比べます。
  4. 同じ要望で現地調査と見積もりを依頼する
    図面や希望工事を共有したうえで、総額だけでなく工事範囲、設備仕様、別途工事の書き方まで見ます。

住宅リフォーム推進協議会の2025年度調査では、マンション実施者の27.2%が当初予算を超過しています。予算超過者では、設備を当初よりグレードアップしたことが理由として多く、マンションでは59.5%でした。設備の希望が固まっていない段階では、公開価格ぴったりで予算を固定しない方が計画を調整しやすくなります。

私が自宅リフォームで3社を比べたときも、同じ住まいを見てもらっていても、工事範囲や設備、別途項目の書き方に違いがありました。最終的には一番安い金額だけで決めず、どこまで含まれているかを見ながら選んでいます。

見積書を受け取ったあとの見方は、リフォーム見積もりの比較方法で詳しく整理しています。

自宅条件でリフォーム見積もりを比べる

希望する工事範囲を整理したら、複数社の提案と見積もりを並べると、自宅に必要な予算を具体化しやすくなります。総額だけでなく、工事範囲や別途項目まで見比べてください。

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よくある質問

Q. 3LDKなら70㎡としてリフォーム費用を考えていいですか?

いいえ。3LDKは部屋数を示す間取り名で、70㎡と決まっているわけではありません。まず実際の専有面積を基準にし、そのうえで壁や建具、水回りなど、変更する範囲を重ねて考えます。

Q. ㎡単価を掛ければリフォーム費用を計算できますか?

特定の定額プランでは概算に使えますが、その㎡単価が自宅の工事範囲に合っていることが前提です。内装中心の単価をスケルトンリフォームへ当てはめる、といった使い方はできません。

Q. 約90㎡なら600万円で同じリフォームができますか?

私の自宅では約90㎡を約600万円でリフォームしましたが、施工当時の個別実例です。現在の価格や、別のマンションで同じ工事ができる金額を示すものではありません。設備仕様や間取り変更、配管、管理条件まで含めて見積もる必要があります。

まとめ|面積・間取り→工事範囲→見積もりの順で考える

マンションリフォームの予算は、70㎡や3LDKという情報だけで決めるより、実際の専有面積を押さえ、希望する工事範囲を分け、同じ条件の価格情報を見る方が現実的です。

公開価格は予算の入口として役立ちますが、最終的な金額は自宅の現況や設備仕様、間取り変更、配管・配線、管理規約などを反映した見積もりで決まります。ネット上の相場を1つ選ぶのではなく、自宅と同じ工事内容に近づけながら予算を具体化していきましょう。

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