狭いお風呂でも、リフォームで浴室を広くできる場合があります。古いユニットバスの壁裏に余裕があれば、洗面所や廊下の間取りを変えずにサイズアップできる可能性もあります。
一方で、希望するユニットバスの設置寸法にわずかでも足りなければ、そのサイズへ交換できないことがあります。大切なのは、現在の浴室の大きさだけでなく、壁裏の空間、梁、配管などを含めて検討することです。
この記事では、浴室を広くする方法と施工例を紹介し、費用や工事の制約、見積もりで比べたい内容まで整理します。
- 狭い浴室を広くできる条件
- 間取り変更なしでサイズアップする方法
- 成功事例とサイズアップできなかった事例
- 費用・追加工事と現地調査のポイント
狭いお風呂はリフォームで広くできる?
浴室のサイズアップに必要なのは、今ある浴室の内側の広さだけではありません。ユニットバスの外側に使える空間があれば、間仕切りを動かさずに大きい製品へ交換できる場合があります。
| 現状の条件 | 検討する方法 |
|---|---|
| 壁裏に使える空間がありそう | 既存空間を利用したサイズアップ |
| 規格サイズが収まりにくい | サイズオーダー対応商品 |
| 隣接する洗面所などに余裕がある | 間仕切り変更による拡張 |
| 物理的に広げる余地がない | 同サイズ交換で使い勝手を改善 |
これは検討の出発点であり、工事できることを保証するものではありません。希望商品に必要な設置寸法まで確保できるかが、最終的な分かれ目です。
狭い浴室を広くする3つの方法
浴室を広くする方法は、既存の空間を使うか、製品の寸法を調整するか、間取りそのものを変えるかで工事範囲が違います。まずは大がかりな変更を伴わない方法から可能性を探します。
壁裏の空間を利用してサイズアップする
ユニットバスと建物の壁の間には、施工方法や製品によって使い切れていない空間があることがあります。この余裕を活用できれば、洗面所側の壁を動かさずに浴室の内側を広げられる可能性があります。

たとえば、TOTOのマンションリモデル バスルームでは、既存空間を有効活用するための工夫が案内されています。もっとも、壁裏に空きがあっても、配管や梁が干渉すれば希望の製品は設置できません。
サイズオーダー対応のユニットバスを選ぶ
一般的な規格サイズでは収まりにくい浴室でも、寸法調整に対応した商品なら空間を活用できる場合があります。タカラスタンダードには、サイズオーダーに対応する浴室商品があります。
- 希望する商品の対応寸法と調整できる範囲
- 梁や配管を避けるために必要な施工スペース
- 浴室の向きや入口位置との適合
「オーダーできるから必ず入る」という意味ではありません。対応範囲と実際の設置必要寸法は、選ぶ商品や現場に応じて施工会社に確かめてもらいます。
洗面所や廊下の間仕切りを変更して広げる
壁裏の空間だけでは足りない場合は、洗面所や廊下との間仕切りを動かし、浴室へ面積を振り分ける方法があります。ただし、浴室を広げた分だけ隣接する空間が狭くなったり、設備の移設が必要になったりする可能性があります。

浴室だけでなく脱衣所の使い勝手も変わるため、間取り全体の変更を検討する場合はマンションの間取り変更リフォームも参考になります。
1216・1116の浴室はどこまでサイズアップできる?施工例で確認
1216や1116の浴室でも、より大きなサイズに変更した施工例はあります。ただし、同じ1216からの交換でも、選べるサイズは建物によって違います。
1216などの数字は浴室のサイズを示す
ユニットバスの「1216」は、一般的に浴室の内側の大きさが約1200×1600mmであることを表す規格表記です。サイズを考えるときは、次の3つを分けておくと混乱しません。
- 浴室の内法寸法:浴室の壁の内側の広さ
- 製品の設置必要寸法:ユニットバスを据え付けるために確保する空間
- 浴槽の内寸:実際に体を入れる浴槽内部の大きさ
たとえば、浴室の長辺が大きくなっても、浴槽の内寸まで同じ分だけ大きくなるとは限りません。足を伸ばして入浴したいのか、洗い場を広く使いたいのかによって、見るべき寸法が変わります。
サイズアップできた施工例とできなかった施工例
公開されている施工例を並べると、間取りを変えずに広げられた例がある一方で、希望サイズを断念した例も見つかります。
| サイズの変化 | 施工例の特徴 |
|---|---|
| 1216 → 1218 | TOTO掲載のマンション事例(2022年公開)。奥行き方向のサイズアップ |
| 1116 → 1316相当 | TOTO掲載のマンション事例(2023年公開)。既存の間取りを生かした変更 |
| 1216 → 1416 | TOTO掲載のマンション事例(2020年公開)。壁裏の余剰空間を活用 |
| 希望した1216 → 1116へ変更 | TOTO掲載事例(2025年公開)。設置寸法が2cm足りず希望サイズを断念 |
1216から1416へ変更したTOTOの施工例では、壁裏空間を使ったケースを確認できます。また、寸法不足で1116へ変更した施工例は、わずかな寸法の違いが計画を左右することを示しています。
掲載事例は、それぞれ異なる住宅・製品・工事範囲での結果です。1216なら1416にできる、といった規則にはなりません。
マンションで浴室を広げる場合の制約は?
マンションでは、浴室の周囲に余裕があっても、建物の躯体や共用設備、管理規約によって工事範囲が制限されることがあります。戸建てでも構造・配管の制約はありますが、管理組合への申請という点はマンション特有の確認事項です。
梁・配管・床下のスペースで設置できない場合がある
図面上では広げられそうに見えても、ユニットバスの外側や床下には設備が通っていることがあります。施工会社には、次のような干渉がないか調べてもらいます。
- 柱・梁や動かせないコンクリートの壁
- 給水管・給湯管・排水管の位置と接続経路
- 換気ダクトなどの設備の通り道
- 排水接続に必要な床下の高さやスペース
- 希望する製品を搬入・据え付けるための寸法
現地調査で設置できそうでも、解体して初めて隠れた設備が分かることがあります。見積もりでは、想定外の干渉が判明した場合の対応方法も聞いておくと安心です。
管理規約と工事申請も事前確認する
国土交通省のマンション標準管理規約は、管理規約を作成・改正するためのひな型です。標準管理規約には共用部分等に影響するおそれがある工事の事前申請・承認に関する規定がありますが、実際の手続きは住んでいるマンションの管理規約や使用細則によります。
管理会社や管理組合には、工事内容、配管や躯体への影響、必要書類、作業できる時間帯などを相談します。
浴室を広くするリフォームの費用は?追加工事と見積もりの違い
サイズアップの費用は、浴室本体だけでなく、周囲の壁や配管をどこまで動かすかで変わります。公開事例は目安の一つになりますが、金額だけを横並びにして安い・高いと決めることはできません。
施工例の費用は工事範囲・税区分を分けて見る
実際に公開された浴室サイズアップの工事価格には、次のような例があります。掲載時期と金額の条件が異なるため、そのまま現在の一般相場とは考えないでください。
| サイズ変更の事例 | 掲載費用・条件 |
|---|---|
| 1216 → 1218 | 90万円(税別)。TOTO掲載、2022年公開の個別事例 |
| 1216 → 1416 | 105万円(税別)。TOTO掲載、2020年公開の個別事例 |
| 1216 → 1316 | 約93万円(税込)。みやこリフォーム掲載、脱衣所の内装工事等を含む個別事例 |
同じように浴室を広げる工事でも、製品仕様や既存設備の状態が違えば、必要な工事も変わります。浴室交換全般の費用は、お風呂リフォームの費用相場で別に整理しています。
サイズアップ時に確認したい追加工事
見積書では、浴室本体の金額に加えて、周辺の工事がどこまで含まれているかを見る必要があります。
| 工事項目 | 見積もりで見る内容 |
|---|---|
| 既存浴室の撤去・処分 | 解体、搬出、廃材処分が含まれるか |
| ユニットバス本体・組立 | メーカー・シリーズ・サイズと施工費の範囲 |
| 給排水工事 | 配管接続だけか、経路変更まで含むか |
| 電気・換気工事 | 照明・換気設備の接続や移設の範囲 |
| 間仕切り工事 | 壁の撤去・新設や補強の有無 |
| 脱衣所の内装 | 壁紙・床の復旧と施工範囲 |
| 建具・開口部 | 浴室ドアや入口周辺の工事内容 |
| 搬入・養生など | 養生、運搬、諸経費の計上範囲 |
これらすべてが必ず追加工事になるわけではありません。「工事一式」に含まれる内容と、別途費用になり得る内容を具体的に聞きましょう。浴室と洗面所をまとめて工事する場合は、浴室と洗面所の同時リフォーム費用も参考になります。
間仕切りや配管の変更が増えれば工期にも影響する可能性があります。入浴できない期間や工事日数については、お風呂リフォームの工期・日数で詳しく説明しています。
サイズアップできない場合でも浴室を使いやすくする方法
構造や設置寸法の制約で浴室そのものを広げられなくても、窮屈に感じる原因によっては同サイズの交換で使い勝手を改善できる可能性があります。
| 困っていること | 検討する改善方法 |
|---|---|
| 浴槽が窮屈 | 浴槽の形状や内寸が異なる商品を比べる |
| 洗い場が使いにくい | カウンターやシャワー周辺の配置を見直す |
| 収納が邪魔になる | 収納の位置・大きさ・数を見直す |
| 希望のサイズが入らない | 同サイズ交換で動作空間を確保できないか探る |
浴室の面積が変わらない場合は、浴槽の中の広さと洗い場の使いやすさを別々に評価すると、優先したいことが明確になります。ショールームでは、寸法表だけでなく実際の浴槽への入りやすさや立ち回りも見ておくとよいでしょう。
現地調査で確認したい寸法と見積もりのポイント
浴室のサイズアップを相談するときは、「何cm広げたいか」だけでなく、「何を広く使いたいか」を伝えることが大切です。浴槽をゆったり使いたい場合と、洗い場を広げたい場合では、適した製品が違う可能性があります。
現地調査までに、分かる範囲で次の内容を整理しておきましょう。
- 現在の浴室サイズ・ユニットバスの品番・住戸図面
- 浴槽と洗い場のどちらを優先して広くしたいか
- 壁裏の空間、梁・配管・ダクトと希望商品の設置必要寸法
- マンションなら管理規約・工事申請に関する条件
- 同サイズ交換、既存空間でのサイズアップ、間仕切り変更のうち施工可能な案
- 各案の工事範囲、設備仕様、含まれる費用、別途費用
見積もりは、実現できる案だけを比較対象にします。総額が違っても、浴室サイズや配管工事、内装補修の範囲がそろっていなければ、工法による費用差は見えません。
複数の施工会社へ相談する場合は、希望する浴槽・洗い場の広さと優先順位を共通の条件として伝え、各社の実現方法と見積もりにどんな違いがあるかを見てください。
浴室のサイズアップ可否や追加工事は、建物の構造・配管・設置寸法によって異なります。施工可能な案を確認し、工事範囲をそろえて提案と見積もりを比較しましょう。
一括見積もりサービスの違いを詳しく知りたい方は、リフォーム一括見積3サービスの比較記事も参考にしてください。
まとめ|浴室を広くできる条件を確認してから方法を選ぼう
狭いお風呂を広くするために、最初から間取り変更が必要とは限りません。壁裏の空間を生かしたサイズアップやサイズオーダーが可能なら、工事範囲を抑えながら改善できる場合もあります。
一方、梁・配管・施工必要寸法などで希望のサイズが入らない場合は、間仕切り変更や同サイズ交換での使い勝手改善も選択肢です。浴槽と洗い場のどちらを広くしたいかを明確にし、実現できる方法と追加工事の内容を確かめて選びましょう。







