キッチンの高さ90cmは、今のキッチンが低くて前かがみになりがちな人には、選んで良かったと感じられることがあります。一方、自分には高すぎると、包丁を使うときに肩が上がったり、コンロでの調理がしづらくなったりする場合があります。
高さを決めるときは、身長から求める目安だけではなく、85cmと90cmで実際に作業したときの姿勢が大切です。特に身長155cm前後の人が90cmを検討するなら、製品による違いも踏まえて選びましょう。
- 高さ90cmが使いやすいケースと後悔しやすいケース
- 85cmと90cmで洗い物・調理のしやすさがどう変わるか
- 身長155cmを含む高さ選びの目安と例外
- 家族の身長差を踏まえた選び方と設置前の確認方法
キッチン高さ90cmで良かったと感じる条件・後悔する条件
高さ90cmの評価が分かれるのは、同じ天板でも使う人の体格や作業内容が違うためです。高さを上げる利点だけでなく、腕や肩に負担がかかる場面も考えておきたいところです。
高さ90cmにして良かったと感じやすいケース
これまでの天板が低く、洗い物のたびに腰を曲げていた人は、90cmにすることで前かがみの姿勢を減らせる可能性があります。特にシンクでの作業が多い人にとっては、試してみる価値のある高さです。
- 今のキッチンが低いと感じている:無理に背中を丸めずに洗い物ができるかを比べる
- 90cmの天板でも肘や肩を自然な位置に保てる:包丁作業まで含めて使いやすさを確かめる
ただし、天板が高くてもシンクの底が深ければ、洗い物では前かがみになることがあります。立ったときの印象だけで良し悪しは決まりません。
高さ90cmで後悔しやすいケース
90cmが身体に対して高すぎると、包丁を下ろすときに肩が上がったり、力をかけにくくなったりすることがあります。コンロ上の鍋も天板より高い位置になるため、鍋の中が見づらいと感じる可能性があります。
- 包丁を使うと腕や肩が不自然に上がる
- 鍋やフライパンの中を見たり、かき混ぜたりしづらい
- 家族のうち主に使う人には高すぎる
「90cmにしたら腰痛が改善する」「90cmは後悔しやすい」と一律にはいえません。身体に合わない高さが負担になる可能性はありますが、使いやすさは実際の作業姿勢で評価する必要があります。
高さ85cmと90cmの違いは?洗い物・調理で比較
85cmと90cmの差は5cmですが、まな板で切る作業と、深いシンクや鍋を使う作業では感じ方が変わります。天板だけを見て高さを決めないことがポイントです。
| 作業・確認対象 | 高さによって変わり得ること |
|---|---|
| シンクでの洗い物 | 90cmの方が前かがみを減らせる場合がある。ただしシンクの深さにも左右される。 |
| まな板での包丁作業 | まな板の厚さだけ手元が高くなる。90cmだと肩が上がる人もいる。 |
| コンロ・鍋の扱い | 五徳や鍋の位置は天板より高くなることがあり、鍋の中の見やすさが変わる。 |
| 足元の履物・床 | スリッパや床仕上げによって、身体に対する相対的な高さが変わる。 |

洗い物では90cmが楽でも、まな板で切るときには85cmの方が作業しやすいことがあります。普段長く行う作業を中心に、両方の高さを試すのが現実的です。
身長155cmで高さ90cmは高すぎる?身長別の目安と例外
身長155cmなら、一般的な計算式での目安は82.5cmです。ただし、それだけで90cmを高すぎると決めることはできません。メーカーごとの考え方や実際の肘の高さによっても選び方は変わります。
身長155cmの計算上の目安は82.5cm
LIXILが示す目安の一つは「身長÷2+5cm」です。この式に当てはめると、次のようになります。
| 身長 | 一般式による計算上の目安 |
|---|---|
| 155cm | 82.5cm |
| 160cm | 85cm |
| 165cm | 87.5cm |
| 170cm | 90cm |
身長155cmに対して90cmは計算値より7.5cm高く、85cmよりも5cm高い寸法です。一方、TOTOは「肘の高さ-10~15cm」という見方も案内しています。身長が同じでも肘の位置や作業姿勢に違いがあるため、計算値は候補を絞るために使うのが適切です。
高さの目安は、LIXILのキッチン高さの案内でも確認できます。
メーカー・シリーズによって推奨する高さは異なる
選べる高さも、使いやすいとする基準もメーカー・シリーズによって同じではありません。2026年10月25日時点で確認できた例は次のとおりです。
| メーカー・シリーズ | 選べるワークトップ高さ |
|---|---|
| LIXIL・リシェル | 80・82.5・85・87.5・90cm |
| TOTO・ザ・クラッソ | 80・85・90cm(基本仕様) |
また、トーヨーキッチンスタイルのPORTOは、製品固有の考え方として「身長÷2+10cm」を案内し、高さ90cmを身長155~165cm向けとしています。一般的な「身長÷2+5cm」と異なるのは、製品設計や想定する使い方が同じとは限らないためです。
詳しい対象条件はPORTOの公式キッチン選び方ガイドで確認できます。PORTOの基準を他社のキッチンへそのまま当てはめないようにしましょう。
筆者宅は身長154cmの妻に合わせて85cmを採用
わが家のリフォームでは、ワークトップ高さ85cmのキッチンを採用しました。主にキッチンを使う妻は身長154cmで、85cmをちょうど良い高さと感じています。
設置したのはタカラスタンダードの「オフェリア」で、間口240cm、奥行65cmです。この例は身長155cm前後の人が85cmを選ぶときの参考にはなりますが、90cmを試した結果ではありません。90cmなら使いづらかったとまではいえません。

キッチン全体の交換内容や配置については、キッチン位置を変えなかったリフォーム実例で紹介しています。
家族で身長が違うときは誰に合わせる?
家族の身長が違う場合、背の高い人か低い人かだけで決めず、誰がどの作業をどれだけ行うかを考えます。主な使用者の作業がしづらくならないことを一つの軸にすると、優先順位を整理しやすくなります。
| 家族の使用状況 | 高さ選びで重視すること |
|---|---|
| 主に一人が調理する | その人が包丁作業と洗い物を無理なく続けられる高さを中心に考える。 |
| 複数人が日常的に調理する | それぞれが85cm・90cmで作業し、使いづらさが大きくないかを見る。 |
| 調理と洗い物で担当が分かれる | まな板・コンロとシンクの両方で、日常の作業頻度に照らして検討する。 |
全員に同じ高さが最適とは限りません。使用時間の長い人だけでなく、特に負担が大きくなる作業がないかも考慮して選びます。
高さ90cmを選ぶ前にショールームで確認すること
90cmに決める前に、85cmとの使い心地を作業別に試しましょう。実際のキッチンでは、立って手を置くだけでは気づけない差があります。
- 85cmと90cmの両方に立ち、自然な姿勢で肘・肩の位置を比べる
- まな板で切る動作を想定し、手の高さと肩の位置を試す
- シンクの底へ手を伸ばし、洗い物の姿勢を確かめる
- 鍋やフライパンを使う想定で、コンロ上の手元の高さと中の見やすさを確かめる
- 普段使うスリッパなど足元の条件も考慮する
- 家族で使うなら、主な使用者それぞれが試す
- 希望するシリーズに85cm・90cm以外の高さがあるか、展示寸法は何cmかを聞く
- 高さの違いによる価格差や、希望寸法での設置条件を販売店・施工会社へ尋ねる
特に身長155cm前後で90cmを選びたい場合は、包丁作業で肩が上がらないか、鍋の中が見やすいかを確かめておくと選択しやすくなります。ショールームでの高さ選びは、TOTOの解説も参考になります。
キッチン交換全体の予算や工事範囲も検討する段階になったら、マンションのキッチンリフォーム費用と工事範囲で整理しています。高さ85cmと90cmの価格差は一律ではないため、希望する製品・仕様で見積もりを取りましょう。
まとめ|キッチン高さ90cmは身長と作業姿勢で判断する
高さ90cmは、低いキッチンで前かがみになる人には使いやすくなる可能性がある一方、身体に対して高ければ包丁やコンロの作業で負担になることがあります。身長155cmでも一律に不向きとはいえず、メーカーの基準も製品によって異なります。
迷ったら85cmと90cmで洗う・切る・鍋を扱う動作を実際に比べてください。家族の使い方も踏まえて、無理のない高さを選ぶことが、設置後の後悔を避ける第一歩です。







