カップボードをリフォームする費用は、本体と設置工事を合わせて数十万円になる例があります。施工会社の参考相場では15万~30万円程度という目安もありますが、収納の構成や工事内容によって総額は変わります。
特に後付けや交換では、壁への固定、電源工事、古い食器棚の処分などが見積もりに含まれているかが大切です。価格の目安と追加費用が生じる場面を分けて見ていきます。
- カップボードの工事費込み費用の目安
- 本体以外にかかる工事費と追加費用
- 収納構成や自宅の設置条件による費用の違い
- 見積もり前に整理しておく項目
カップボードのリフォーム費用はいくら?
費用を考えるときは、「本体価格」「工事費込みの価格」「追加工事まで含めた総額」を分けて見るのが基本です。まずは、施工会社が公表している参考相場と、実際の商品構成を示した価格例を確認します。
工事費込みの参考相場は15万~30万円程度
ニッカホームは、カップボードの後付けについて、本体と標準工事を含む費用の参考相場を15万~30万円程度と案内しています(2026年10月21日公開、同月25日確認)。これは同社による目安で、全国平均や、あらゆる設置条件を含む定額ではありません。
| 価格の見方 | 参考金額・対象条件 |
|---|---|
| 事業者による後付けの参考相場 | 15万~30万円程度。本体+標準工事を想定。税区分や追加工事の扱いは個別内訳未確認 |
| 本体のみの表示価格 | 設置・固定・電源・撤去などの費用を含まない場合がある |
| 自宅の最終見積もり | 本体+基本工事+必要な追加工事・撤去処分などを合わせた金額 |
吊戸棚や家電収納を追加する場合、既存の壁や電源に手を加える場合には、参考相場より高くなることもあります。反対に、必要な収納を絞れば費用を抑えられる可能性があります。
本体価格と工事費を分けた価格例
「交換できるくん」の幅1,800mmの参考プランには、商品販売価格と基本工事費を分けた掲載例があります。2026年9月時点の参考価格として掲載され、同年10月25日に確認した金額です。
| 掲載プランの費目 | 税込金額 |
|---|---|
| クリナップ ラクエラ・フロアカウンター/商品販売価格 | 146,410円 |
| 同プラン/基本工事費 | 99,800円 |
| 同プラン/掲載合計 | 246,210円 |
| Panasonic Vスタイル・カウンター/商品販売価格 | 196,812円 |
| 同プラン/基本工事費 | 99,800円 |
| 同プラン/掲載合計 | 296,612円 |
2つのプランは収納構成や仕様が異なり、同じ条件でのメーカー比較ではありません。ここで分かるのは、商品代と設置工事費を分けて読む必要があるということです。対象外の工事があれば別途費用がかかります。
キッチン本体の交換や移動まで含めた費用を検討している方は、マンションのキッチンリフォーム費用も参考にしてください。
カップボードの費用内訳|本体・基本工事・追加工事
見積書は、本体の販売価格に何の工事が含まれているかによって見え方が変わります。「工事費一式」と記載されている場合も、対象範囲を具体的に確認したいところです。
カップボード本体と設置工事の費用
本体価格は幅や奥行、下台・吊戸棚・トール収納の組み合わせ、扉材や天板などで変わります。基本工事費は、搬入や設置・固定などの作業に対して設定されます。
| 費目・条件 | 費用の例と確認点 |
|---|---|
| 本体価格 | 収納ユニット、扉・天板、家電収納の構成。表示が定価か販売価格かを区別 |
| 基本工事/幅1,800mmまで | 99,800円(税込)。交換できるくんの所定工事 |
| 基本工事/幅1,801~2,700mm | 118,800円(税込)。同社の所定工事 |
| 工事対象外の作業 | 必要な場合は追加見積もり。基本工事に含まれる作業との重複を避ける |
交換できるくんでは、所定の下地工事やコンセント移設も基本工事に含まれると案内しています。こうした範囲は会社ごとに異なるため、費用の合計だけでなく、公開されている工事費と対象範囲の例のように内訳を照らし合わせると分かりやすくなります。
追加費用が発生する主な工事
後付け・交換では、既存の住宅や家具の状態によって工事が増えることがあります。特に追加になりやすい項目を、金額の一例とともに整理します。
| 工事項目 | 費用が生じる場面・参考例 |
|---|---|
| 壁下地補強・内装復旧 | 固定に適した下地がない、壁の仕上げを復旧するなど。金額は現地の工事内容で見積もる |
| コンセント・電源工事 | 家電の配置に合わせて増設・移設・専用回路が必要な場合。専用電源新規配線37,400円(税込)~は交換できるくんの対象料金例 |
| 既存食器棚の撤去・処分 | 交換時に古い家具を解体・搬出・処分する場合。幅1,200mmまで22,000円(税込)は同社の例 |
| 搬入・共用部養生 | 大型ユニットの運搬方法、階段・エレベーター、共用部分の取り扱いで作業範囲が変わる |
配線・コンセント工事の費用の見方は、リフォームの電気工事費用と見積もり内訳で詳しく扱っています。
後付け・交換で確認したい施工条件
既存のキッチンにもカップボードを後付けできる場合がありますが、置く場所が空いているだけでは工事内容は決まりません。壁の固定下地、家電用電源、搬入経路まで含めて施工計画を考えます。
壁の下地と固定方法
背の高い収納や吊戸棚など、壁への固定を要する製品は、適切な下地や施工方法を確保する必要があります。下地が不足している場合は補強や内装復旧の工事が増えることがあります。
総務省消防庁も、家具・家電製品の転倒防止として適切な固定を案内しています。製品の仕様と壁の構造を施工会社に伝え、どこへ、どのように固定できるか確認しましょう。固定したからといって転倒リスクが完全になくなるわけではありません。
家電用コンセントと設置スペース
電子レンジや炊飯器をカップボードに置く場合は、収納に収まる寸法だけでなく、放熱・蒸気の逃げ方や使う場所を考えます。家電収納には蒸気排出機能を備えたタイプもありますが、すべての家電に対応するものではありません。
- 置きたい家電の寸法と、収納側で必要な設置スペース
- コンセントの位置・数と、使用する家電の消費電力
- 複数家電を同時使用する場合の回路容量・専用回路の要否
- 炊飯器などの蒸気・放熱に対応した収納仕様か
一般的な定格15Aの2口コンセントは、2口合わせて1,500Wが上限とNITEも注意喚起しています。差込口が2つあるからといって、高出力家電を2台同時に使えるとは限りません。コンセントの増設や配線変更は、工事内容に応じて資格のある電気工事業者に相談してください。
マンションの管理規約と搬入条件
マンションでは、収納の固定先となる壁の構造に加え、工事申請や共用部分の取り扱いが施工計画を左右します。躯体壁への固定可否を含め、管理会社・管理組合と施工会社の双方で確認する内容があります。
- 専有部分の工事に届出・承認が必要か
- 固定予定の壁に施工上・管理上の制約がないか
- 搬入する製品が玄関・廊下・エレベーターなどを通るか
- 共用部の養生や搬入作業の条件があるか
規約や承認手続きは一律ではありません。国土交通省のマンション管理に関する案内も参考にしながら、自宅の規約を基に進めましょう。工期も、組立・固定だけで済むか、壁や電気の工事を伴うかで変わります。
カップボードの費用を抑える選び方
費用を抑えたい場合は、扉や面材を変える前に、どこに何を収納したいかを整理すると、必要なユニットを選びやすくなります。単に収納を増やすのではなく、予算に見合う構成を考えます。
下台のみ・吊戸棚付き・トール収納を比較する
同じシリーズや仕様水準なら、下台だけの構成は、吊戸棚や大型収納を組み合わせる場合より費用を抑えやすい傾向があります。一方、必要な収納量を削りすぎると、後から別の家具が必要になるかもしれません。
| 重視すること | 選び方の目安 |
|---|---|
| 作業台・家電置き場を確保したい | 下台を中心にし、上部収納を付けるかは使用頻度で考える |
| 食器や調理道具を多く収めたい | 吊戸棚・トール収納を含む構成を検討。追加ユニットと固定工事の費用を見る |
| ゴミ箱スペースを残したい | 収納ユニットの組み合わせで場所を確保できるか確かめる |
設備メーカーの周辺収納には複数のユニット構成があり、同じ間口でも内容は異なります。幅だけでなく収納の数と機能をそろえて見積もると、費用差の理由が分かりやすくなります。
メーカー製・据置き家具・造作収納の違い
メーカー製の固定式収納にするか、据置き家具や造作収納にするかでも、費用と工事範囲が変わります。価格の安い順を一律に決めるより、設置方法と欲しい収納機能の違いを見る方が実用的です。
| 収納方法 | 費用・工事上の特徴 |
|---|---|
| メーカー製の固定式収納 | 規格ユニットを組み合わせる。商品代に設置・固定費が加わる |
| 据置き家具 | 本体を中心に価格を検討できるが、固定方法・搬入・設置費の確認が必要 |
| 造作収納 | 空間に合わせやすい一方、設計内容や製作・施工範囲によって費用が変わる |
将来の模様替えや買い替えを考えているなら、取り外しや再設置のしやすさも比べたい点です。造作が必ず高い、既製品なら必ず簡単に交換できる、とは限りません。キッチン本体と同時に施工することで作業がまとまる場合もありますが、必ず安くなるわけではありません。
筆者宅のカップボード・背面収納リフォーム実例
私の自宅は、築20年前後・約90㎡の中古マンションです。キッチン本体の位置は変えず、背面のカップボード周辺と内装をリフォームしました。
以前はキッチン背面に白い吊戸棚がありました。改修後はグレー系の扉の背面収納と木製の壁付け棚を組み合わせ、カップボードの上にはWOODONEの壁面収納を設けています。壁付けの収納は、食器をたくさん入れるというより飾り棚として使っています。


キッチンとカップボードの間の通路幅は120cmです。これはわが家の実寸であり、すべてのキッチンに適する推奨寸法ではありません。どの位置に収納と家電を置くかによって、通り道の使い方も変わります。

リフォーム全体では複数の工事をまとめて行ったため、カップボード単独の費用は切り分けられません。価格の参考にはせず、実際に選んだ収納構成の一例としてご覧ください。キッチン全体の工事内容はキッチン位置を変えないリフォーム実例にまとめています。
カップボードの見積もりで確認すべき項目
見積もりを頼む段階では、希望する収納の大きさと家電の置き場だけでなく、既存の壁や食器棚の状況も伝えると、工事範囲をそろえやすくなります。金額の違いが商品代なのか施工内容なのかを区別するのが目的です。
同じ仕様・工事範囲で見積もりを比較する
候補の施工会社には、次の項目を同じ内容で伝え、見積書にも反映されているか照らし合わせます。
- 収納本体:幅・高さ・下台や吊戸棚などの構成、扉・天板の仕様
- 設置工事:搬入、組立、固定、下地補強、壁・床の復旧の範囲
- 電気工事:既存コンセントの利用、移設・増設、専用回路の要否
- 既存収納:古い食器棚の解体・搬出・処分を含むか
- 建物条件:マンションの工事届、共用部養生、搬入経路
- 契約条件:税込・税別、対象外工事、商品保証と施工保証、対応地域
見積金額が低くても、他社では含まれる工事が対象外なら、契約後の総額が変わります。カップボード固有の項目をそろえたうえで、一般的な見積書の見方はリフォーム見積もりの比較方法も参考にしてください。
希望する収納構成と設置場所の条件を整理したら、工事範囲をそろえて相談できます。カップボード単独の工事やお住まいの地域に対応するかは、各サービスで事前にご確認ください。
どのサービスを利用するか迷う方は、リフォーム一括見積もり3サービスの違いも比較できます。
まとめ|カップボードは本体と必要工事を合わせて判断する
カップボードの費用は、商品だけを見て決めず、固定・電源・撤去処分など、自宅で発生する工事まで含めた総額で考えます。事業者の参考相場は目安として使い、実際の予算は収納構成と設置条件を踏まえて見積もりましょう。
下台や吊戸棚などの優先順位を決め、同じ仕様・工事範囲で金額を比べれば、費用をかける部分と調整できる部分が見えてきます。







